リングにかけろ1

 くろがねぎんさんから借りて、これまで放映の3話分をまとめて視聴。面白くて見始めたらもう止まりませんでした。車田節をここまで再現できてるなんてー! チャンピオンREDの「風魔の小次郎 柳生暗殺帖」もやたら車田節*1が上手すぎましたが、こちらも凄い。

 原作を読んだのが小学生の頃なので、どこからどこまでが原作にあったシークエンスでどこからがオリジナルなのか解らないほど、脚本の黒田洋介車田正美風ハッタリが上手い。そしてあまりに愚直かつ古風すぎて笑える。剣崎のまわりの医者とかコーチとかチアガールとかが何かする度に大笑いしてました。けどバカバカしくも、それがやたら燃える。アニメ版は原作の序盤をはしょって中学生編の地区決勝戦の剣崎から始まるんですが、試合の合間にそれまでの経緯を回想に挟むおかげで第一話にして既に最終回級の盛り上がり。しかもそれが「破邪巨星Gダンガイオー」の第一話みたいな一発ネタでなく後の展開に綺麗に繋がっていく。このシリーズ構成の手腕が、さすがです。

 低予算なのか止め絵ばかりで動画部分がおそろしく少ないのですが、「あしたのジョー」や「タイガーマスク」といった70年代格闘アニメ風の演出で上手くごまかす。それどころかその止め絵で焦らされて画面から目が離せません。せっかく面白い原作と整った作画があるのに突き抜けた演出が無く興味をひかない多くの原作付きアニメ群の中で、我が道を進むとんでもない怪作。今一番楽しみのアニメになりました。

*1:車田節:『技を食らいながらも詩情豊かにその技を解説』(例:「なにぃ、振り下ろした剣圧で岩盤がめくりあがる! 水面に大輪の華を咲かすが如きこれはーッ」)とか、『どう見ても心臓を木刀を突き刺されて即死!という絵で引きを作っておいて、次回ではそれはイメージ画だったことになっている』とか。