To Heart 〜Remember my memories〜

 正直オールドファンにも新規視聴者にもお薦めするような特別な良さは無いのだけれど、なんとなーく惰性で観ちゃってます。ヒロインをマルチにしたところと話がゲーム版の続編になっているところが面白そうに思えたのですがー、むむむ。話の展開があまりに遅すぎる。「ジャスティスリーグ」なら10分で終わらせる内容に2話もかかってる。しかも設定を紹介するための説明セリフと心情をそのまま吐露するだけのセリフが延々続くばかりで無駄が多く、それらを魅せる演出も無く、なによりオカズのエンターテイメント要素・事件が無い。


 時期的に今度出る「To Heart2」への繋ぎのための再アニメ化かと思ってたけど、それにしては新規者を引き込む仕掛けが見えず閉鎖的な感じがします。マルチを記憶喪失にしたのなら、マルチを「To Heart」から遠ざかっていたオールドファンと新規視聴者の憑依先として、マルチの視点で改めて他のキャラと新たに対面し紹介してゆくとか。……とか書いてたら、3話目にしてあっさり記憶が戻りました。なんだったんだー。


 琴音が葵のマネージャーになるほどふたりの仲がいいことにすごい違和感。いや、一年生同士でくっつくのは面白いと思うのだけれど、ゲーム版での琴音の葵に対する拒絶っぷりが頭にあるもので、仲良くなった経緯のわからないまま観ると、琴音の言動についモンテ・クリスト伯爵並みの裏や計算を妄想してしまいます。葵を励ますために善良で前向きな言葉を続けて投げかける場面なんか特に、あまりにも清々しすぎるセリフに、なに企んでんだお前ーッと勝手な想像で頭がパンクしそうでした。被害妄想気味だと思うのですが……ああ、でも、あのデジタルカメラが特に怪しい。フォームの研究って絶対口実だ。それで何を作る気だ。その大きくキラキラになった目が、「ひぐらしのなく頃に」のレナ並に信用できない。わざわざあかりに告げ口しに行ったものの、今度はレミィの気遣いで浩之とあかりをふたりきりで残して去ることになってしまったときのその嫌そうな顔と躊躇いは……って、うわー、なんだかんだ言ってても、琴音が出てくると楽しめてるなあ自分。X-MEN対センチネルのようなマルチとの激突を期待。(^^;


 委員長とあかりも仲いい……というか委員長が砕けまくっていて、ツンデレでなくなってるのが勿体無い。理緒も普通に出現しているし。というか、みんな悩みなく人生順調そうなのが気に入らないのか。自分的にはゲームのファンディスク(またはそれに類するもの)では各キャラの問題が解決して仲良し空間を作っているのはいいけど、ゲームの続編では各キャラに新たな試練なり問題なりを与えて謎や動機や目的や強い行動原理を常に持たせていて欲しいのですよ。ただ出番があって、それなりの行動をとるだけでは物足りない。


 最新型の携帯電話とかデジタルカメラとかゲーム時にはなかったアイテムが当たり前のように出てくるのが驚き。昔は志保がメールも打てない携帯電話を持ってるだけだったのにな。