スパイダーマン誕生の秘密 〜スタン・リーの世界〜

 スカパー!から録画したのを今頃視聴。スタン・リーというのは今映画でヒットしているスパイダーマンやらX-MENやらのマーベル社のアメコミのヒーローを作った、編集者兼原作者。日本で言うと、仮面ライダーや戦隊ヒーローを作った石ノ森章太郎マジンガーZデビルマンを作った永井豪あたりに当たる人。大雑把でいい加減なんだけど荒削りなパワーのある先駆者というイメージ、まんまの人です。(^^;


 そんなスタン・リーが、日本では情報が入りにくいアメコミ中興期の面白エピソードを自ら自慢気に語ってくれるという夢の番組。なんつーか、あからさまに山師っぽくいかがわしくて面白い人です。広井王子みたい。「シンプソンズ」第280話「怒れる父の逆襲」にて本人役で登場したとき、子供が持ってたライバル社のバットモービルのおもちゃを自社のフィギュアで壊したり、本屋で自社のアメコミを一番前に並べて回ったりと、ひどいことばっかしてたんですが、この番組での自己主張っぷりを見る限りあながち誇張ではなかったのかもしれない。


 そんなスタン・リーが考案し、今もマーベル社で使われている(?)「マーベル手法」なる独自のアメコミ製作工程が紹介される。それを大雑把に言うと……

  1. シナリオライター(スタン・リー)が作画担当者に大まかな話を伝える。
  2. 作画担当者はそれを元に絵を描く。
  3. シナリオライターはその間にシナリオを完成させる。
  4. 出来上がった絵の上に、フキダシとセリフを書き足して完成。


 ……エロゲーの切羽詰った製作過程まんまじゃないかー!(笑) ゲームと違って後から絵の構成編集が効かないマンガでそんなことするなよー! マーベル社のアメコミってセリフの内容と絵の内容とがどうもしっくり合ってなくてセリフの多い絵本のようだとか、セリフ自体は凝った言い回しがあって面白いのに話が単純すぎるとか思っていたけど、こんなに適当に作ってたのか……長年の違和感が氷解。


 スタン・リーはそれを、シナリオが完成するまでの時間のあいだの作画担当者を遊ばせないためだ、作画担当者の生活を守るためだとしきりに他人のせいにしているんですが、そんなのどう考えたってアンタが早くシナリオを完成させないからだろうに。一作一作違うものを完成させてゆくゲームと違って、毎月の連載マンガなんだから、作画担当者が前の話の作画をしている内に、次の話のシナリオを書くとかさー。今のマーベルコミックスの、ゴッドサイダーばりに簡単にキャラが死んだり生き返ったりするストーリー迷走の元凶じゃないのか、この人。そんな事を名称までつけて手柄話に……ホント喰えないじいさんだ。(^^;


 スタン・リーについてはこんなプログも発見。うわーもう82歳なのか。